ネットショップでの多店舗展開とは?メリットとデメリットについて解説





多店舗展開はネットショップを運営するうえで非常に効果のある戦略の一つです。

「売り上げが順調で、もっと売り上げを作りたいがどうしよう」
「売り上げが落ち込み人員に余裕があるため新しい取り組みをしたい」

そんな時は他のモールへもう1店舗出店することにより、当初の立ち上げよりも経費も労力もかからず売り上げを上げることができます。

では、そのメリットとデメリットを順に解説していきます。





1.多店舗展開と国内のECモールについて


多店舗展開とは?


ネットショップにおける多店舗展開は「ショップを複数出店する」ことで、複数のECモールにまたがってショップを展開する方法が一般的です。
顧客接点を増やすことで売り上げの増加に直結しやすい施策になります。



国内のECモールの状況


日本の大手ECモールの流通総額は下記と言われています。

・楽天グループ 約4兆5000億円
・Amazozジャパン 約2兆1000億円
・Yahoo!ショッピング&PayPay(ペイペイ)モール 約8,402億円
https://www.z-holdings.co.jp/integrated-report/performance/commerce/

参考:記事名 – URL 
楽天 2020年度通期及び 第4四半期決算説明会
https://corp.rakuten.co.jp/investors/assets/doc/documents/20Q4videoPPT_J.pdf

アマゾン 2020年の年次報告書
https://www.sec.gov/ix?doc=/Archives/edgar/data/1018724/000101872421000004/amzn-20201231.htm

Zホールディングス
https://www.z-holdings.co.jp/integrated-report/performance/commerce/


これらの流通総額は年々増え続けており、モール自体の集客力が高いのが特徴です。
また各ECモールにおいて客層が固定化する傾向も強まっています。各モールが独自のポイントシステムなどといったサービスを充実させており、一か所のモールでしか買い物をしないユーザーも増えてきています。

国内で使われている主なECモールは以下の通りです。
● 楽天市場
● Amazon
● Yahoo!ショッピング
● PayPayモール
● dマーケット
● LINEショッピング
● auPAYマーケット
● Qoo10



ECモールには「テナント型」と「マーケットプレイス型」がある


ECモールは大きく分けると「テナント型」と「マーケットプレイス型」の二種類あります。







■テナント型
楽天市場やYahoo!ショッピングなどはテナント型と言われ、大手ショッピングモールに1つの店舗として出店をするイメージで、個々のお店ごとに特徴を出すことができます。
固定客を増やしブランディングをしていきたい場合や、価格だけではない付加価値で販売を行いたいなど、一般的なお店に近い運用ができます。

■マーケットプレイス型
Amazonに代表されるマーケットプレイス型は、掲載される商品に対していくらで販売するか等を決め販売を行うタイプとなり、価格や納期が決め手となります。

運用の手間はマーケットプレイス型の方が少ない傾向にあるようです。Amazonにおいては商品のカートを獲得することで、多くの注文が入るようになります。

ただしカートの獲得には価格・納期競争となるため利益が残りにくく、またお店の個性が出しにくいという特徴があります。

カートの獲得については下記記事をご確認ください。
参考:ショッピングカートボックスの獲得 – amazon seller central





楽天市場とAmazon、Yahoo!ショッピングの違い


楽天市場とYahoo!ショッピングは運用方法が近いため、どちらかにまだ出店していない場合は多店舗展開を検討してみてもよいでしょう。

Amazonへの出店は価格の優位性がある場合や、データ処理が得意な方が社内にいる場合には運用の手間も少なく売り上げを上げることができます。

ただし購入者は「ショップで買った」というよりも「Amazonで買った」という認識のほうが強いため、リピーターの獲得にはつながりにくいです。





2. 多店舗展開のメリット


メリット1:新規顧客が獲得できる


多店舗展開することで新規顧客の獲得を狙うことができます。理由は先述の通り、近年ECモール内の客層が固定化する傾向にあるためです。



楽天市場を使用するユーザー層
楽天市場では「楽天経済圏」といって、楽天グループ独自のサービスを利用することでポイントが多く溜まるシステムがあります。
そのため買い物から旅先の予約まで、多くの生活シーンで楽天グループのサービスを好んで利用する層が一定数います。



Yahoo!ショッピング/PayPayモールを使用するユーザー層
softbankの携帯を利用している人は、Yahoo!ショッピングやPayPayモールで買い物をすることでポイントが溜まりやすくなる仕組みがあります。
またインターネット黎明期からネットショップを利用している年配層は、当時から存在したYahoo!ショッピングを使い慣れているためそこでしか買い物をしないといったこともあります。



Amazonを使用するユーザー層
Amazonはプライム会員という有料会員システムがあります。会員になることで送料が無料になったり、配送日の指定が可能になったりと買い物が便利になります。
それ以外に動画の配信サービスを無料で利用できたりなど、会員特典が豊富で日本にも多数のユーザーが有料会員に登録しています。
以上のように、各モールにはそのモールでしか買い物をしないユーザーが一定数存在します。そのため他のモールに出店していない場合、その時点で購入対象から外れてしまうのです。
複数のモールに出店することで新しい顧客が獲得でき、またその顧客がリピーターとなることで売り上げの支えとなります。





メリット2:モールに集客してもらえる


また昨今はどのモールでもキャンペーンや大型セールが開催されるなど、大きな売り上げを作る機会があります。そのチャンスを活かせば大きな売り上げをつくっていくことができるでしょう。

ネットショップの運用に余裕が生じた際には、ぜひ他のECモールへの出店を検討しましょう。

なお出店の順番は大手のモールから順に出店していくことをおすすめいたします。
大手のモールには競合ショップも存在しますが、小さいモールと比較すると圧倒的に集客力が違うためです。





メリット3:トータルの売上額が上がる


上記のようにユーザー層が異なっており、また各モールで販促施策も実施されることから、全体として売り上げが上がることになります。
既存の運営体制のままで多店舗展開すれば、追加で必要となる出店料以外は販売に応じた経費が必要となるだけです。全体の販売量が増え、それに応じて利益も残ることになります。





3. 多店舗展開のデメリット


多店舗展開することのデメリットは、手間やコストがかかる点にあります。

モールにより使えるHTMLやタグが異なるため、商品を出品する際にはモールごとにデータを編集する必要があります。また商品情報の修正やキャンペーン企画などもモールごとに行う必要がるため、出店モールを増やすごとに手間は増えます。

メンテナンスもメインのモールだけに絞ると、他のモールの編集がおろそかになったり、在庫が管理できず欠品を起こしてしまうこともあります。
受注処理もモールごとに異なるため、慣れるまでは非常に手間が掛かります。

上記をカバーするためには複数モールの受注管理サービスや在庫管理サービスの利用、及び社内体制づくりが必要となります。





おわりに


多店舗展開は既存のモールなどで蓄えた商品データを活かすことができるため、初めてネットショップを立ち上げるよりもはるかに楽に立ち上げることができ、比較的低コストで売上のアップが見込めます。

ある程度人員に余裕が生じたり、売り上げアップを狙う際には、出店していないECモールへの多店舗展開をぜひ検討してみましょう。

その他にもネットショップの売上を上げる方法について記載した記事があります。
よろしければ合わせてお読みください。

ネットショップ売上アップに必要な3つのキーポイント | ECでも接客が重要な訳






関連記事

  • ・【保存版】ネットショップのメールテンプレート。注文完了からトラブル発生時まで必要なテンプレ集めました。
  • ・ネットショップの領収書発行/収入印紙について。ポイントとよくあるQ&Aをご紹介
  • ・【マルモトネットご利用ガイド】サイトの特徴や取扱商品、各種サービスについて
  • トップページに戻る