ネットショップでの販売価格の決め方とは?具体的な考え方をご紹介
せっかく開発した商品や丁寧に仕上げた商品ページも、お客さんの納得いかない値付けをしてしまって売れないのでは意味がありません。
どのように販売価格を設定すればよいか解説していきます。
販売価格の決め方の基本
販売価格に含まれるもの
「販売価格」は一般的には「商品原価」+「コスト」+「利益」の合算値となります。「販売価格」より「商品原価」と「コスト」が上回ってしまうと売れば売るほど赤字となりますので、基本的には「販売価格>商品原価+コスト」となっている必要があります。
ネットショップの運営コスト(変動費と固定費)
注文1件あたりに発生するコストは主に変動費となります。
「梱包資材費、出荷作業費、倉庫保管費」など自社でかかる費用(内部コスト)と、外部に支払う「モール販売手数料、決済手数料、ポイント、送料」などの費用(外部コスト)があげられます。
そして、その差から残った利益から固定費となる「人件費、会社の運営費」等の諸経費が賄われ、残った利益が会社全体の利益となります。
なお、内部コスト、外部コストはアウトソーシング等により区分は異なります。
販売価格の考え方
原価から販売価格を考える
原価から考える方法は一番スタンダードな考え方となります。
下記が計算式です。
A. 「仕入れ原価」+「コスト(変動費)」 +「利益額」 =「販売価格」
B.(「仕入れ原価」+「コスト(変動費)」)÷「1-利益率」 =「販売価格」
販売価格をXとすると
4,000+80+100+100+X×(0.08+0.05+0.01)+700+1,500=X
⇒ 6,480+0.14X=X ⇒ 6,480=0.86X ⇒ X=6,480/0.86 ⇒ X=7,534
または、変動するコストをまとめて経費率とした場合、
C.「仕入れ原価+コスト」÷「1-利益率(>経費率)」 =「販売価格」
経費率 = モール手数料8%+決済手数料5%+ポイント1%= 14%
⇒ 経費は14%のため利益率を30%とすると
(「仕入れ原価4,000円」+「コスト 梱包資材80円+出荷作業費100円+倉庫保管料100円+送料700円」)÷「1-利益率30%」
⇒ (4,000+80+100+100+700)÷(1-利益率0.3)=7,114
上記が比較的利用しやすい計算方法となります。こちらの計算方法では非常に簡単ではありますが、市場の売価からずれてしまう場合があります。まずはこの値を計算してから、市場の価格を観察し販売価格を検討します。
競合や市場売価から販売価格を考える
他の競合や市場と比較して販売価格を決定する方法となります。
競合や市場より安い、またはお客様がお得だと感じられた場合は売れやすくなりますが、コストを考慮していない場合は赤字になる恐れがあります。
原価と市場状況を踏まえ販売価格を考える
仕入れ商品の販売価格決めの多くは、上記の原価・コストと市場環境を考えたうえ上で、販売価格をつける場合が多いです。
ECモール以外の一般的な市場で販売される製品の妥当な価格(メーカーさんの想定売価や同様の製品の市場販売価格)が参考の価格となります。
最終的な販売価格については該当商品について自社で考える商品のライフサイクルとお客様との関係性、自社の優位性、及びページへの手入れ具合にて価格を決定します。
実際によく売れる販売価格を考える
一番よく売れやすいのはやはり最安値
同じ製品であれば誰しもお得に賢く買いたいもの。一番売れやすいのは購入者にとって他よりもよい条件を提示しているお店となり、やはり価格が一番安いお店が購入されやすくなります。
その際は、商品の価格を最安値とし、メーカー名や品番、JANコード登録など商品に関する情報などお客様が検索で商品にたどり着けるよう設定することが重要です。型番商品なども「-(ハイフン)」の場所などがわかりずらい場合がありますので、お客様が探しやすいように工夫するとよりアクセスにつながります。
例)メーカー品番 NP469B-WH → NP469BWH、NP469BWH、NP 469BWH なども検索対象とする
他のサイトなどで商品をすでに認知しており、購買意欲の高い状態のお客様からのアクセスを漏れなく取り込むことにより、購買率も高く売上につながります。
説明が必要な実質最安値
ネット通販では商品単価、送料、決済手数料が購入にあたりかかる費用となり、そこから送料特典やポイント、クーポンなどの割引が適用され、最終的な購入価格となります。
他の最安値商品よりも条件がよい場合、お客様の購入につながります。
その際は、最安値のページに比べ、割引などが初見ではわかりにくいため、品名や画像、商品ページにどのような割引があるかわかりやすく記載をすることが重要です。
購入者が納得できる商品に見合った販売価格
すでに購入を決め価格重視で検索をしているお客様以外の方に購入いただくには、適正な販売価格を付け、商品や価格、サービスに納得して購入いただくことが重要となります。
初めてその商品を認知いただき、買いたいなと思っていただくには、商品を丁寧にご説明すると同時にご納得いただける価格設定とする必要があります。
また、他の商品やお店と比較されている場合は、納期の早さ、おまけなどの特典、商品のアフターサービスなどを充実させることにより、お客様に買ってもいいなと感じていただける工夫が必要です。
価格競争を避けながら売れやすい販売価格の決め方
お客様が購入を決めるポイント
「他の店舗」よりも自ショップの商品が売れるには下記いずれかが優れている場合となります。
「お得である」「安心できる」「納得できる」
■お得である … 価格や送料など代金が安い 等
■安心できる … 信頼できるショップ・ブランド、お店が好き、レビューが良い・多い、商品ページの説明が丁寧、返品やアフター保証などのサービスが良い 等
■納得できる … オリジナル品、納期が早い、在庫がある、関連商品・付属品販売等の品揃えがある、希望の支払い方法、包装対応がある 等
最近では環境への配慮などもありますが、大きくは上記の点が購入に影響を及ぼします。
価格競争を避けながら販売価格を決める
上記以外で価格競争を避けながら販売価格を決めるには下記方法などがあります。
<比較されないように工夫する>
● JAN回避 …
価格サーチに巻き込まれないために、JANコードの登録の有無を検討する
● 品名、品番、写真をアレンジ …
簡単に他のショップと比較されないようにする
<付加価値を高める工夫をする>
● おまけや付加サービスを付ける
<品揃えを工夫する>
● 関連商品を活用する …
本体は安めに設定し、別売りの付属品やパーツなどの関連商品の販売で利益を確保する。またはその逆や、他社があまり取り扱わない関連商品の品揃えをそろえ、購買につなげる。
● 店舗内比較 …
自社のネットショップの取り扱い商品で比較検討いただけるよう比較コンテンツなどを作り、自店舗内で検討いただく。
<売り方を工夫する>
● 買いやすい工夫 …
関連商品をまとめたセット販売など
● ケース販売 …
数量をまとめ粗利率ではなく粗利額で検討する
● 販売初期値引き …
販売開始時はクーポン等を提供し実績を作り、売上が付きだした時点で通常販売にする
それ以外にはメーカーの保証期間を明記、独自の保証制度をつくる、短納期体制にするなどサービス面の充実や安心感のあるお店作りがポイントになってきます。
おわりに
販売価格はお客様に欲しいと感じてもらったり、お得だなと感じてもらえる価格やプレミアム感を提供することが重要となります。
ただし比較がしやすいネットショップではやはり価格と納期が重要なウエイトを占めてまいります。
購入者の多くの方はできるだけお得に買いたいもの。自店舗の立ち位置とターゲットとなるお客様との関係性により、価格とその他の条件を組み合わせて販売価格をつけることが重要となります。
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